能の泉質問箱「能の泉」第11回 問 能の伝統は今日までどう守られられて来ましたか。 答 江戸式楽の伝統を色濃く残す宝生流を例にお答えしましよう。 まず台本ですが、宝生では長年観世の謡本を直して用い、寛政時代に水戸藩一橋家裕筆の執筆した自前の謡本を刊行、その後嘉... 2009.12.15能の泉
能の泉質問箱「能の泉」第10回 問 能面の意味を教えて下さい。 答 太古に興った呪術の面が、我が国のみ洗練に洗練を重ね、能面に姿を変えて今日に伝わりました。 能草創期には面(おもて)の種類も少なかったようですが、室町以降曲柄に応じ年齢、性格、品位の異なる種々の... 2009.06.15能の泉
能の泉質問箱「能の泉」第9回 問 なぜ能の動作はゆっくりなのですか。 答 能のテレビを見た3歳3ヶ月の末息子に質問されました。「お父さま、どうして能はゆっくりなんですか」と。とっさに、「重々しさ恭しさを現すとゆっくりになるんだよ」と答えました。能にどっぷり漬かって... 2008.12.15能の泉
能の泉質問箱「能の泉」第8回 問 能とオペラは歌う劇という点で似通っていますが、演者の配役の仕方に違いはありますか。 答 大いに御座います。 先ずオペラは男の役は男が演じ女の役は女が演じますが、能は、元来男が演じる芸能として磨き抜かれて来たものなので、プロの能は... 2008.06.30能の泉
能の泉質問箱「能の泉」第7回 問 能の鑑賞方法を教えてください。 答 知性と教養面から説くことも可能ですが、まずは理屈抜きで感受性で鑑賞することをお勧めします。 仮に「東北」という曲で説明しましょう。東北はトウホクではなくトウボクと濁って読みます。 京の鬼... 2007.12.28能の泉
能の泉質問箱「能の泉」第6回 問 舞台で待機している役者が袴の中に手を突っ込んでいるのは、不用心で武家の作法に反しませんか。 答 この問題についてはまともに反論した文献をついぞ見たことがありません。そこで筆者の研究に基づく仮説を提示します。 即ち、袴に手を入... 2007.06.30能の泉
能の泉質問箱「能の泉」第5回 問 仕舞用の袴は普通の馬乗り袴とどう違うのですか。 答 仕舞袴は、羽織袴役以上の上級武士の礼装即ち裃の袴が起源と考えられ、主な特色として、襠(股部)が低く、相引き(脇部)の丈も短く腰板の芯には厚紙でなく桐や杉の板を入れる点などがあげら... 2006.12.20能の泉
能の泉質問箱「能の泉」第4回 問 宝生流に家元が二人いるのは何故ですか? 答 能はシテ方、ワキ方、狂言方、大鼓方、小鼓方、笛方、太鼓方の分業制になっておりまして、それぞれにいくつかの流派が存在しております。そして江戸時代には、座付きといって、シテ方以外の流儀は観世... 2006.06.20能の泉
能の泉質問箱「能の泉」第3回 問 能の演目はどれくらいありますか? 答 能の曲は文献に残っているものだけで、二千五百番を超えるといわれます。しかし、今も実際に舞台にかけられている曲は、その一割ほどにすぎません。幕府へ提出した書上や宗家公認の謡本等から各流儀の公定演... 2005.12.15能の泉
能の泉質問箱「能の泉」第2回 問 織田信長が「人生五十年」と謡って舞う場面がドラマや小説によく出てきますが、あれは能ですか。 答 よく聞かれる質問ですが、答えはノウです。能の遠戚みたいなものと言いましょうか、幸若舞の「敦盛」という曲の一節で、能とは同名異曲です。 ... 2005.06.25能の泉